スピッツ「さざなみCD」

さざなみCD

さざなみCD

まるで晴れの日に波際にいるような気分になる。とにかく爽やかでポップでキラキラしたアルバム。個人的に、「インディゴ地平線」「隼」「三日月ロック」あたりのロック路線が好みだが、こういうスピッツのポップサイドも気に入っている。
同じくポップサイドに傾いたアルバムとして、「ハチミツ」と似た雰囲気がある。「ハチミツ」と比べると、正直、メロディで負ける部分があるが、それでも十分名曲がつまっている。シングル3曲はもちろん、「桃」「不思議」「漣」はとにかくギターの音色が気持ちいい優しいメロディをもった曲。「点と点」「ネズミの進化」はスピッツらしいひねくれた展開がニヤリとさせる。アルバム一枚で比べれば「ハチミツ」よりもこっちの方がいい。
歌詞にキレがなくなったのは確かに残念だが、十分オリジナリティを保っているし、とにかくサウンドのクオリティは他の追随を許さない。間違いなく前作「スーベニア」の延長線にあるアルバム。バンドの状態は変わらず良さそうなので、今後、「名前をつけてやる」を超える傑作が生まれることを期待。





スピッツ「不死身のビーナス」
「歌詞のキレ」が体現された曲のひとつ。パフォーマンスもキレッキレ。