ラルク

ラルクアンシエルの「True」を久しぶりに聞いた。
これを聴いて思い出すのは、中学3年生。高校受験を控えた冬。

True

True

当時は、洋楽にどっぷりはまっていて、しかも中二病全開の頃だったので、「日本のバンドなんて」と思っていたのだが、友達に借りて初めて聞いたラルクのアルバムがこれ。
ルックス、演奏のうまさやボーカルの声のよさがまず目を引いたが、何よりもその楽曲に夢中になってしまった。日本的な歌謡チックなところもありながらとろいところは全くなく、洋楽テイストの強い、耽美でディープな世界観を持つ洗練されたポップミュージック。

15歳になり高校受験を控えていた当時。まだまだガキんちょだったが、ガキなりに進路について、人間関係について、人生について考え悩みながら、初めて、自分で自分の道を歩みだそうと必死に模索し、あがいていた時期だったと思う。

そんな時期に夢中になっていたアルバムということで、曲のひとつひとつ、フレーズのひとつひとつが強烈に体に染みついているのだろう。アルバムを聴き進めていくにつれて、あの頃の青臭い、でも純粋で一生懸命だったころの自分の記憶が楽曲とリンクして頭にどんどん流れ込んでくる。「the 4th Avenue Cafe」→「Lies and Truth」→「風にきえないで」で涙が出そうになった。

今の耳で聴くと、多少時代を感じるし、「I Wish」のアレンジは苦笑いしたりもするのだが、これでもかと代表曲レベルの名曲が詰まった、ラルクにとっての最高傑作の一つであることは間違いない。何よりも、自分にとっては「初心」を思い出させてくれる本当に大切なアルバムである。