劇場版ライアーゲーム


・「LIAR GAME The Last Stage」を観た。
まさに(「駆け引き」ではなく)裏切りと騙し合いの連続。一言、面白かった!
(軽くネタバレあり)
・「エデンの園ゲーム」は、映画オリジナルのゲーム。基本は多数決だが、ルールには色々と仕掛けがあり、なかなか一筋縄でいかない。
この実写版ライアーゲームの特色として、原作の世界観の拡張には成功しているものの、原作から離れた実写オリジナルの設定は完成度がイマイチな部分があった(ライアーゲーム主催者の設定しかり、カツラギとの因縁の設定しかり)ので、今回のオリジナルのゲームの内容にも不安が多少あったのだが、今回は期待以上。
13回投票をするのだが、全てのターンが内容のあるものになっているし、目立って破綻してる部分も皆無だったので、安心して文字通りのジェットコースター気分が味わえた。
・ヤスタカ節が印象的なBGMが流れる例のオープニングは、シーズン1のソファーヴァージョン。シーズン2のポールダンスヴァージョンがオシャレで好きだったので、ちょっと残念。
・序盤での秋山の視線やつぶやき等、細かい伏線がちゃんと回収されていくのも、作品としてまとまりがあってとても好印象。
・フクナガの「ウェルカーム!」→皆で花畑を踊る一連のシーンが最高にツボだった。
・西田もとても味のあるキャラだった。秋山につるし上げにされるシーンが哀れで哀れで。
・各俳優の「平静(通常時)」→「高笑い・ひきつり笑い(裏切り発覚時)」→「叫び(裏切り失敗時・実は騙されてたと判明した時)」というギャップのある演技・演出が相変わらず面白かった。
エデンの園のセットも凝っていて良かった。神秘的であり機械的でもあり。原色系の過剰にカラフルな世界がとても不気味。
・冒頭、ナオが「赤いリンゴをそろえるために私たちは戦ってきたんだ」という話をするのだが、それが重要な前フリだったのだと気付き、勝手に感心してしまった。
・Xの正体は何となく分かっていた。「ユージュアル・サスペクツ」でいうケヴィン・スペイシーのように、俳優の格からして、何かあるだろうと。
・エンディングのCapsuleの曲「Stay with You」もいい。アルバム「PLAYER」に収録されているものとは若干アレンジが違うようだった。
松田翔太は独特の雰囲気があり、かなり好きな役者になった。ダークで儚げな雰囲気を出すのがとても上手い。「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」も観てみようと思った。
・総括すると、思い入れが強いこともあるだろうが、邦画ではエヴァ破、洋画を含めてもThis Is It以来の大当たり。
Xと秋山の駆け引きというものが主眼とはなっていないが、誰がどのようにして裏切るのか、それを秋山がどのようにして片付けていくのかを一回一回ハラハラしながら楽しんで観ることができたので、これはこれで十分成功した密室ゲーム映画といえるのではないだろうか。
内容満載なのでメモでも取っていない限り一回観ただけではなかなか整理がつかないだろうが、スリルある展開を観ることが出来、本当に面白かった。