サンプル刑事一問目
一.甲の罪責
(一)小切手交付行為(50万,80万,100万)
→実行行為は小切手作成か、交付か。
1.業務上横領or背任
イ振り出し権限はあるので委託信任関係はあり(背任で背信説とること前提?)
ロ作成された小切手が「他人物自己占有物」か?
→肯定した場合
ハ法条競合→横領の成否問題(不法領得の意思発現行為?→所有者行為の認定の問題で自己名 義自己計算か、権限逸脱かを検討)
二・甲に振りだし権限、裁量あり、行為形式は業務、名義は権限与えられたB名義
・自己及び第三者の利益のための行為
cf.
LEX文献番号:27917040(広島高判S56.12/1)
2.詐欺
イ80万円のときに丙に錯誤あるか
→詐欺未遂
ロ不可罰的事後行為との関係
→1で予想される違法状態の範囲を超えて新たな他の法益を侵害したといえるか。
二.乙の罪責
(一)小切手作成行為(50,80)
(1.私文書偽造)
2.(一)1の共犯
片面的共犯、共犯と身分の問題
(二)100万円要求した行為
→恐喝罪
「恐喝」あるか
→事実適時だけでは畏怖させるに足りないが、高額の金銭要求しているので恐喝にあたると考えるの が筋では。
(三)小切手作成行為(100万)
→横領or背任の共同正犯、共謀共同正犯、幇助?
三.丙の罪責
(一)80万円手形受取り行為
1.盗品有償譲受け罪
(2.横領、背任、詐欺の共犯の検討?)
(→認めるなら、片面的共犯や身分の問題が発生する余地)
(二)換金行為
詐欺罪→不可罰的事後行為?
四.罪数
併合罪ばかり成立→それでいいか?