今週聞いた音楽

Utada 「This Is The One」This Is The One

宇多田のUtada名義のセカンドアルバム。全編英語詞だけど、情緒的で感情のこもったボーカルは宇多田以外の何物でもない。プロデューサーが提供した曲もあるようだけど、基本は「Heart Station」からの流れを汲む打ち込みを軸としたキャッチーなアーバン・ポップス。

最初から最後までキャッチーでポップな曲がならぶ。リミックス2曲は蛇足として、10曲で30分台のコンパクトな作品。
特に3曲目「Apple and Cinnamon」、4曲目「Taking My Money Back」、そしてタイトルナンバーの9曲目が好き。
2曲目は教授の「Merry Christmas Mr. Lawrence」をサンプリングした曲。世界の坂本の代表曲ということもあっておそらくアメリカでも知名度があるだろうから、引用の対象としては平凡か。ただ、ボーカルの物寂しさにはまってるし、さすがの引用曲のメロディーの良さもあり、すごくいい。
7曲目「Dirty Desire」は雰囲気とラップが本人に似合ってなさすぎで少し引くけど、サビのメロディーはこちらも強力。これも好きな曲。

全体を聴いて思うのは、「気合入ってるな」ということ。売る気満々。日本的な側面を押し出した曲で勝負した方がウケルとは多くの人が思うことだけど、それを否としてアメリカで「正面突破」を図ろうとする心意気が感じられる。是非アメリカでも売れてほしい。歌唱力や踊れない点、ビジュアルの点などでは向こうでは不利だろうけど、これだけ曲のクオリティーが高いんだし、アメリカ人が普通の耳してれば売れるはず!このアルバムが黙殺されるなんてありえん。